FC2ブログ
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
24
25
26
27
28
29
30
31
  07 ,2020

プロフィール

小々次郎

Author:小々次郎
SR400 に乗っておっかなびっくりいろんな所に出かけては、いろいろ感じる 50代。

アクセスカウンター
検索フォーム
ブロとも申請フォーム
QRコード
QR
23

Category: 2019年12月31日  隅田川

Tags: ---

本文: 16  Trackback: 0

隅田川 その9
いつか必ず会いに行こうと思っていた 古いアメリカ式のピントラス「第一球磨川橋梁」がお亡くなりになられたのをニュースで知りました(涙) 土地の面積はかわらないのに10日間で1年分の雨が降ったりなんかするもんなんですね だとしたらずーっと滝に打たれている状態なのかな 恐怖でしかないですね 逃げるが勝ちです 遅ればせながら被害に遭われた地域の方々にお見舞い申し上げます。 雨量とか気温とか ここのところ毎年悲しい記録を更新していますから 今までの考え方や備えも更新していかないといけませんね 


不謹慎かも知れませんが「第一球磨川橋梁」の供養のためにも コロナも大雨もなかった昨年の年末の話に戻ります ごめんなさいね 

Image5-ab770-thumbnail2.jpg

江戸時代の隅田川と近所の地図です 当時一番河口側に架かっている橋に「永代橋」と辛うじて読めると思います 中洲を横目に隅田川を遡って さっきの「新大橋」。 その上、隅田川で見えている一番上の橋が「両国橋」です。 「永代橋」と「新大橋」中間ぐらいが「中洲の渡し」があった場所 現在は中洲と挟む川が埋め立てられて内陸になり「清洲橋」が架けられました だから震災復興事業としてかけられたんだけど「清洲橋」は初代で間違いない 初代をいきなりケルンから発想を引っ張ってくるあたり 田中豊橋梁課長も只者じゃないな 1966年(昭和41年)から 橋梁・鋼構造工学に関する優秀な業績に対して授与されている「土木学会 田中賞」は課長の名前からきています

PC310377.jpeg

貴重な髪の毛を1本も風に持っていかれないようにボサボサ頭を手で抑えながら ゆっくり河口側に振り返ると スグ、 東京都道475号永代葛西橋線支線を通す「隅田川大橋」をくぐる。 先の方に箱崎JCTがあるからややこしく見えるけど「隅田川大橋」は2階建になってるのがわかるかな 上に首都高速9号深川線を通して、下の階に東京都道475号永代葛西橋線支線が通っています

「隅田川大橋」
竣工 1979年(昭和54年)
橋長 橋長 385.3m 幅員 30.0m
主径間 3径間連続鋼床鈑箱桁橋
高架部 7径間単純鋼床鈑箱桁橋


つつっと行く。

PC310379.jpeg

日もだいぶ傾いてきたのと強風も手伝って少し冷えてきたし 波立っておどろおどろしい隅田川沿いになってきた 「隅田川大橋」をくぐって しばらくすると対岸(右岸側)に日本橋川が合流してくるのがわかる 見えている橋は「豊海橋」(とよみはし)。 富山県のトロッコ電車に乗った時に見た 黒部川第二発電所の建物につづく「目黒橋」と同じ 珍しい下路のフィーレンデール。 「豊海橋」の方が7歳年上で1927年(昭和2年)の竣工。 今ちょうどア○フルの CMでおかみさんが自転車で渡っていますね もちろんちゃんと挨拶してきたけど 隅田川じゃないんでまた今度。 


場所的に「豊海橋」より先に目には入っていたんだけど あらためて風上に向き直りKさんをまた担いで階段を上るとお待ちかね 今度は男だって噂の「永代橋」がネコ科の佇まい。

PC310381.jpeg

時間帯によって上りと下りの車線数が変わるのか ネコにそんなこと覚えられるのかな 心配。 当時、復興局橋梁課長だった田中先生の上司だったのかな? 土木部長の太田圓三先生は土木学会での講演会で「永代橋、清洲橋の架橋地点付近は河畔低地にして人家密集のため、下路式の橋にするより仕方がない」とおしゃっています ”仕方ない”と表現しているように その頃は読売新聞で田舎者扱いされたり、「まるで檻に入っているよう」なんて云われて アーチやトラスが路上部にあり眺望を阻害する下路式の橋は嫌われてた でも実際に「永代橋」が架かると その力学的な麗しさに文句を云う人はいなくなったそうです 日本で初めて支間長が100mを超えるために 軍艦用の高級鋼材のデュコール鋼を使っているし アーチもごっつくなっていますから みんなが云うように筋骨隆々の「男橋」ってのもわからなくはないんだけど オレはニャンコでとおします


「永代橋」で隅田川を渡り 隅田川テラスの上の道を500mぐらい下ると 東京のウォータフロントを象徴する都会的な「中央大橋」がふんぞり返って威張っていました

PC310395 2

上の江戸時代の地図にも描かれている 石川島がかつて「兜島」とも呼ばれていたから このシンボリックな主塔は兜の飾りをイメージしてつくられたとアル。 建設当時バブル期だったこともあってか 隅田川とセーヌ川が姉妹河川になったことを記念して設計をパリ市へ委託する案もあったんだけど 叶わず 最終的にパリ市から贈られた「メッセンジャー」(航海の女神)の彫刻作品が橋上に飾られました セーヌ川沿いにも同じ彫刻が立っています。

「中央大橋」
竣工 1993年(平成5年)8月26日 レインボーブリッジと同じ誕生日
橋長 210.7m 幅員25.0m
二径間連続鋼斜張橋


おしゃれな「中央大橋」で隅田川を渡り おしゃれな高層ビル街を抜けて坂道を上ると「相生橋」が いよいよ沈んでいく夕日の光と影の中 斜に構えながらも憂う未来を見据えているようでした

PC310397.jpeg

月島は1892年(明治25年)に東京湾の土砂を浚渫して誕生しました 政府の意向で工業団地として急速に発展したんけど交通手段が「月島の渡し」と「佃の渡し」しかなかったから 架橋は住人や労働者の念願だったとアル。 1903年(明治36年)にやっと中洲だった中の島を中継して長短2本の木橋が架けられると その姿を縁起のいい「相生の松」に見立てたのが橋名の由来 現在の橋は3代目。

「相生橋」
竣工 1998年(平成10年)
橋長 149.1m 幅員31.0m
三径間連続のプラットトラス

PC310402.jpeg

「相生橋」の前の横断歩道を渡ると綺麗に整備された公園に降りられる 正面に現在も再開発が進む豊洲の高層ビル街。 見えている橋は晴海運河を渡す「春海橋」と この時は気づいてなかったけど明日(元旦)に会いに行こうと思っていた「晴海橋梁」のアーチが少し見えてる。

「相生橋」にさよなら云って Uターン。 またおしゃれな高層ビル街を抜けて「中央大橋」の主塔の付け根にあるバルコニーまで戻って来た 下の写真右側の黒い影が「メッセンジャー」(航海の女神)の太もものあたり 江戸時代は「永代橋」からこの辺りが河口だったんだね 小さな木の船で隅田川を下って来ていたら「永代橋」をくぐっると急に心細くなっただろうな

PC310396.jpeg

江戸時代「永代橋」の場所には「深川の大渡し」があって物資を輸送する要所だったとアル その渡しに代わって初代「永代橋」は1698年(元禄11年)隅田川には4番目の木橋が架けられました 左岸の佐賀近辺は当時「永代島」と呼ばれていたことが橋名の由来なんだとか 水運の中心だった江戸湊に近いから沢山の船が行き来していて 大きな帆船でも通過できるように当時としては群を抜いた高さを誇った橋だったことが記録されています 納涼と眺望の名所としても賑わいを見せていたそうなので 高かったんでしょうね

eitai_rakkyou.jpg

1719年(享保4年)幕府の財政が逼迫しているのもあって廃橋が決まったんだけど 近隣地域の住民の請願で民間が管理することになったのはいいんだけど 88年後の1807年(文化4年)深川八幡宮の祭礼に訪れた人々が一気に押し寄せ重みに耐えきれずに数間が崩れ落ち1500人余りの死傷者を出す大惨事がおきてしまい「永代橋」は再び幕府が管理する公用橋になった。 88年間だもんね武士以外の通行人からとる「橋銭」だけじゃ十分な管理もできないでしょうし。

その後架け直しや修復を繰り返して木橋の時代が終わり 1897年(明治30年)に道路橋としては日本初の3径間連続のトラス鋼橋に架け替えられた けどやっぱり関東大震災で損傷したので現在の「永代橋」にまた架け替えられました 鋼橋としては2代目ってこと 田中豊橋梁課長はドイツのライン川にかかる「ルーデンドルフ鉄道橋」をモデルにしたそうです 震災復興だからスピードも求められただろうし そんな中でメチャメチャ勉強したんだろうな ありがとうございます

「永代橋」
竣工 1926年(大正15年)
橋長 184.7m 幅員 22.0m
下路のバランスドタイドアーチ

eitaibr03.jpg

歌川広重「東都名所 永代橋全図」

広重さんの描いた絵には右奥に佃島が描かれていることから 右下に描かれている「豊海橋」が現在と違って「永代橋」の下流に位置していることがわかる 一番上の江戸時代の地図にもそう描かれているから間違いない 発見してちょっと嬉しい

eitaibr04.jpg

渓斎英泉「東都永代橋の図」

渓斎英泉さんの描かれた浮世絵は広重さんに比べると漫画っぽいというか赤福の包装紙みたいな画風だけど橋上の賑わいや 噂どうり橋脚の高さがわかります 観覧車に乗った気分じゃないかな 江戸時代に観覧車はないけどね。



隅田川 完結につづく



スポンサーサイト